森美術館「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」
こんにちは。今回は久々にタイムリーな内容です。
2019年10月現在、森美術館で開催中「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」に行ってきました!
今回は子供の保育園の保育参観後に行ってきたので、平日だし、開催始まってからまだあまり日が経っていないからか、ひっさびさにストレスなく見ることができました。ビバ平日日中!!
お恥ずかしながら、デザインの仕事をしているにも関わらず、わたくしバスキアの名前を初めて聞いたのが去年でして…(カミングアウト)。
あ、さすがにZOZOの前社長の前澤さんが競り落としたニュースの前には知ってましたけど(笑)、「左利きのエレン」というマンガで初めて名前を知ったという…。「左利きのエレン」いいですよ! クリエイターさんにはぜひ読んでいただきたい!
普段の美術展と一味違う「バスキア展」(私感)
まあ公式サイト見ればわかるんですが(笑)、音声ガイドが無料。これ結構ありがたい!
よく個人の名を冠した企画だと大体パネルなり配布物に作家の年表的なものがあって大抵その情報から作家の人生や軌跡がわかりますが、今回考えてみたらバスキア本人の年表的なものがほっとんどなかった。。
前知識ゼロで行ったのでこういう時こそ年表が見たかった、けどないので音声ガイドがかなり役立ちました。と言っても音声ガイドが来歴を語るという訳ではないので結構じっくり見たけどバスキア本人の生い立ちや生まれた年、亡くなった年、死因などなど一切知らないまま森美術館を後にしてたんですよ。
作品に集中させるため敢えて本人に関する情報はカットしたのか? それとも作品自体が大きいのでスペースの都合上パネルは出せなかった(笑)? などなど下種の勘繰りでしたが、死因に関しては諸説あるらしいんですね。
あと他の美術展より、撮影OKの点数が多かった。
浮世絵や油絵系の美術展だとまあ数十年、数百年昔のものも多いからどうしても保存状態には気を使わざるをえないですよね。その点今回だと1980年代の7年間分なので比較的最近の作品だし、なんつってもストリートアートだから元々野ざらしだったり、色が褪せるだの劣化とか今の時点では的外れですよね(笑)。
いや、まあ、他の理由があるのかもしれませんが、『こんな高価な作品まで撮影していーんだろか…』と思いつつ遠慮なく撮ってきましたけど(笑)
お初のバスキア、実物を見て…
1960年生まれで80年代に活躍したアメリカの黒人、もうそのキーワードだけでどれだけ成功したのか、前知識ゼロの私ですらある程度わかります。
母親の影響でアートに親しめる環境であったのは間違いないけど、ベースはストリートというかラクガキ。じっくり見ると細かいディテールが「あ、わかるわかる!」と共感できたり、よく見てるなぁと思わせられたり、まさしく絵のうまい(というかさくらももこ的緻密さ)クラスメートのノートのラクガキを見ているような面白さがあります。いや、高価なラクガキだけど(笑)。
3歳の頃から絵心があったらしく、初め「え、これ3歳で描いたの? うちの子供は今2歳8ヶ月だけどまだ線とぐしゃぐしゃの円しか描けねーぞ…!!」と恐れ慄きました。。流石に3歳の時の作品はありませんでしたが…いや焦った。。だから生まれ年くらいパネルとかに出しといて欲しかった(笑)
他の作品でよく「yen(日本円)」というキーワードだったりモチーフを見かけました。今回の美術展のサブタイトルにもあるように日本との関わりもあったようで、高度経済成長からバブル期に移っていく日本をちょうどトレースしているんですよね。今「yen」なんてテーマにしたらイタいかも(笑)
ペイント作品も多いですが、個人的にはアップしたようなラクガキ的な作品の方が好きかな。ペイントでは黄色地に黒いコウモリを1匹という作品があるんだけど、それはかっこよかった。撮影不可だったので写真はないけど。
時代が見つけた才能?
バスキアは短い作家人生の中で、アンディ・ウォーホルやキース・ヘリングとも交流があるんですよね。twitterやFacebookで気軽に繋がれる時代でもないのに。
ウォーホルには自分の描いたポストカードを売りつけて知り合いとなったようですが、インターネットのない時代だからこその出会いなのかも。
今だとちょっと検索すれば世界中の絵師絵描きの作品が簡単に見つかるから、自分の作品が大御所の目に留まるファンタジーもあり得る。逆に同じような作風の中に埋もれてしまうこともある。そしてネット社会ならではの盗作疑惑や騒動もありますよね。
バスキアはそんなお手軽な情報社会以前の時代に才能と、それを発信する運と行動力があった。もちろん時代も味方した。今の社会だともはやレアなアメリカンドリームを実現した人、だと思いました。
「インターネット社会に生まれていたらこの人は名を残せていたのかな」と見ながらずっと感じていて、でも実際こんなに後世に名を残しているその事実に才能と運を感じずにはいられませんでした。
こんなに色々感じながら見ることができたのも、激混みしていなかったから。
平日の日中だったからか、まだ開催から日が浅いからなのか、とにかく久々にストレスなくゆったり見られてとても充実していました。