東京ステーションギャラリー「夢二繚乱」展
こちらは2018年6月に行った東京ステーションギャラリーで開催された「夢二繚乱」展の記事です。
数年前に東京駅の丸の内駅舎リニューアルで誕生した東京ステーションギャラリー、一度行ってみたかった!
そして今回竹久夢二の企画展をこちらで…もう行くしかない。
いいなぁ。この大正浪漫の香りが漂ってきそうな雰囲気。
大好きな夢二の作風ともぴったりで本当に申し分ない(しつこいw)。
今回の夢二繚乱展では浅草の龍星閣が千代田区に寄贈した夢二の作品を一挙に公開すると言うもの。龍星閣やるね!
そして今回初公開となる夢二の自叙伝「出帆」の原画も見どころの一つ。
以前弥生の夢二美術館で一通り夢二の作品は見ているのですが、今回は広いハコでの展示。どのくらいのボリュームなのか…(ワクワク)
企画展のレポの前に、ものすごくカンタンに自分なりの夢二ダイジェストを。
美人画と書籍等の挿絵・模様が有名な大正時代の画家、と言うかグラフィックデザイナーですね。
林静一や中村祐介の作風も夢二と似ていることから、おそらく影響を受けているのかなあと勝手に想像しています。
夢二といいミュシャといい、どうも私は画家よりもデザイナーに惹かれるようです。そして両者とも美人画と言うか女性画も有名。今でいうと萌え絵絵師兼グラフィックデザイナー的な立ち位置?(謝れ!!)
私は古都が好きで京都だと金沢だのスキあらば旅行していますが、いく先々で大抵「夢二ゆかりの…」的な石碑を見かけます(笑)。あと温泉地にもささやかに「夢二美術館」とかあるよね。旅するデザイナーの先駆け?
というか、後で触れると思いますが、旅というか一言でいうと不倫旅行・(メンタルからくる)病気療養的な結構後ろ暗い旅がこの人多いんですよね。旅というか逃避行? まさに(勝手に抱いている)大正時代の文化人のイメージ。。
夢二は正妻と子供のほか、愛人とその子供(死産含む)も年表にしてまとめてもこんがらがるくらいいて(苦笑)、まあそんな人間関係からあの美人画や作品が生まれるというのも大正時代文化人あるあるなんでしょうか。
まさに今回の夢二繚乱展ではその複雑極まりない人間関係をまとめた年表(待ってたw)と自叙伝「出帆」コーナーがあります!
そのコーナーに到達するまでにも楽譜デザインや雑誌デザインや可愛らしいグラフィックデザインの数々が展示されているのですが、この「出帆」コーナーの濃さの前では記憶が薄れてしまいました。
出帆コーナーは正直、年表や文章の分量が多いので絵を見るというより、文字を読むコーナーでしたね。
あまりに人間関係が複雑なのと、それぞれ女性たちの人生が苛烈で…展覧会というより自然主義作品を1本読んでいるような気分になりました。メガネ持って来ればよかったー。。。
中でもお花(お葉)の人生が壮絶で。。
これ、もしかすると一部盛ってるかもしれないけど(?)実在する人物の実話なんだよね。。あまりにドラマティックで悲劇的。夢二が思い出に酔って美化されているかもしれないけどその部分を取っ払った場合、彼女の人生って苦難の連続なのでは。そして母目線だと自分の娘が彼女のような生き方をして夢二のような男にひっかかったらそりゃ何度でも連れ戻すわな。
太宰にも言えるけど、こういうダメ男に限ってナゾの天賦の才があるよね(笑)。そしてそれに引っかかってしまう女性の多いこと多いこと…。
テーマの重さなのか、文字情報の多さなのか、今回の展示は出口についた時点で疲労感がありました。ただ嫌な疲労感じゃない。情報の多さに自分のCPUが追いつかない感じで、脳が焦げ付きそうな感覚(笑)
こんな破天荒な生き方をしている人間が、あんな乙女チックなデザインできるのが不思議(笑)。